2月7日に大阪府立千里青雲高校(豊中市新千里南町)『子どもと発達と保育』の栄養編ということで、『食』をテーマにした出前授業に行ってきました。豊中市のライフデザイン講座の一環です。
生徒達は、これまでに家庭科の授業の中で、栄養のこと、子どもの発達についてなどを学び、実際に赤ちゃんとの触れ合いも体験しています。
今回の授業は子どもの食のことだけでなく、人生という長いスパンの中で、自分自身の食をどんな観点で選んだらいいかや、将来子どもに関わることがあってもなくても、「食」が自分自身の生き方やライフデザインに影響することを感じてもらうことが目的でした。
最初に普段自分がどんな決め手でお昼ご飯を買っているのか聞きました。“見た目”、“量”、“気分”、“カロリー”など自由な意見がでてきます。
意見の1つに“旬”という言葉も出てきてくれたので、野菜や果物、魚などの旬当てゲームをしました。旬の大切さ(おいしい、栄養、安い、体にいい、環境にいい)や6つの栄養分類のこと、5歳児に必要な栄養のことを確認した後、子どもの発達という授業の一環なので、5歳児のお昼ご飯メニューを考えてもらいました。
5グループにそれぞれ考えてもらいましたが、しょうが焼き、ハンバーグ、エビフライがのったカレーなどの主食・主菜・副菜・デザートがそろった、豪華なメニューができあがりました。そのメニューを選んだ理由を聞くと、「好きなメニューにしたら、食べてくれそうだから」、「こぼしにくそう」、「栄養バランスを考えた」とのことで、それぞれ工夫して考えてくれたようです。
メニューの発表の後、育児を経験したスタッフから「みんなが気分でご飯を選ぶように、子どももその時の気分で食べてくれないときもある。1食で完璧な栄養バランスを目指そうと思うと難しいけれど、1日や、1週間で栄養のバランスが取れていたらOKと思うと心が楽になるかも。それにみんなが考えたメニューをいざ作ろうと思ったら、作る方も大変だよ。家族みんなの食事を作りながら、子ども用は薄味で、大人用は濃い味付けに変えるという、とりわけ食という方法もあるよ」と、実際の経験を踏まえた話がありました。
また食を選ぶポイントで“食品添加物”ということも考えてもらうために、添加物の入っている食材と入っていない食材を配り、違いについて考えてもらいました。普段はあまりパッケージの成分表示を見ることがないようで、驚いた様子でした。
最後に“人生と食事”をテーマにスタッフから、高校生の時の体験や、仕事をしていて体調を崩した体験、妊娠や出産をしてから気をつけていることや自分の人生と食事にどのようなつながりがあると感じているか、またフェアトレードの話を通じて、社会と食とのつながりも知ってもらいました。
生徒達のふりかえりでは、「人生と食が関係するなんて考えたこともなかった」、「これからは栄養バランス、旬、添加物も気にしてみたい」、「社会のことまで視点が広がった」と初めて知ることも多かったという意見や、ゲームやお話から楽しく学べたという意見を多くもらいました。
今日のお話を全て普段の食事に取り入れることは難しいけれど、いろんな視点で食事を選ぶことの大切さが少しでも心に残って、これから先の人生を豊かに過ごしてもらえることを願っています。(大橋)