イベント

【開催報告】トヨカツ・ユースセッション

ユースセッション

2025年11月15日(土)、「庄内コラボセンター・ショコラ」内の「トヨカツ(豊中市立市民公益活動支援センター)」を会場に、「トヨカツ・ユース・セッション2025」を開催しました。

当日の発表団体でもある「とよなかって」の増田さんによる開催報告レポートをお届けします。

「トヨカツ・ユース・セッション」は、若者による市民活動・地域活動の取り組みを紹介し、みんなで応援していくための場です。この日は、年に一度の“ショコラフェスタ”や“トヨカツフェスタ”も同時開催となり、会場全体がとてもにぎやかな雰囲気に包まれました。

ユースセッション期間中は、11月7日(金)から、トヨカツの事務所の目の前、ショコラ1階エントランスで、豊中で活動するさまざまな団体のパネル展示を実施。15日(土)には、各団体がブースに立って来場者と直接言葉を交わすブース展示に加え、一組5分のプレゼンテーションで、自分たちの思いや工夫を市民のみなさんに届ける活動発表(口頭発表)も行いました。

活動発表は「高校生」、「教育・福祉」、「まちづくり」の3ブロックに分かれて進行しました。司会は、後ほどプロジェクトとしても登場する「庄内ヤギ部」の創設メンバーで、昨年度のユースセッションにも参加してくれた大阪音楽大学4年の梶矢さんが担当。落ち着いた進行と温かい声かけで、会場の空気をやわらかくつないでくれました。

まずは、元気いっぱい、少し緊張の色も見られた高校生ブロックからスタートしました。

【大阪府立刀根山高等学校生物エコ部】

豊中にある“蛍池”とそこに棲む“蛍”に注目し、数が減ってきた蛍をどうすればもう一度この場所に呼び戻せるのか、水質や周辺環境を地道に調べてきた実践を紹介しました。フィールドワークやデータの蓄積を通じて、“身近な自然を守る”というテーマに取り組んでいる様子が丁寧に伝えられました。

【箕面自由学園高等学校 災害・防災探究プロジェクト】

地域の大事な取り組みである“防災訓練”に、高校生世代の参加が少ない現状を課題としてとらえ、“お祭り”と組み合わせて楽しく参加できる防災企画を、自治会と一緒に考えているプロセスを報告しました。地域の方とのやりとりや、企画を形にしていく過程で感じた気づきなどが、等身大の言葉で語られました。

【箕面自由学園高等学校・とよみゅープロジェクト】

豊中市内に残る“戦跡”を訪ね歩き、地域の歴史と戦争の悲惨さを学びながら、“平和”について考える“探究学習”の流れや学びを発表しました。写真や地図も交えながら、フィールドワークで出会った人や風景、そこで感じたことを丁寧に共有し、聞き手も一緒に現場を歩いているようなプレゼンテーションとなりました。

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続く教育・福祉ブロックでは、大学生や若い社会人たちによる、学び・居場所・相談などに関わる取り組みが紹介されました。

【大阪大学公共政策研究会】

2005年から続く“政策提言”サークルとして、毎年テーマを決めてリサーチし、行政に提案してきた歩みを紹介しました。あわせて、高齢化が進む豊中で昨年度取り組んだ“転倒・骨折”をテーマとした調査についても発表。高齢者の暮らしの中でどのような場面にリスクが潜んでいるのか、アンケートやフィールド調査を通じて見えてきた課題と、それに対する提案のポイントをわかりやすく伝えてくれました。

(Instagram:@kouken_handai)

【豊中地区BBS会】

“Big Brothers and Sisters”という名前のとおり、地域の“大きなお兄さん・お姉さん”として、家庭や学校だけでは受け止めきれない少年少女の悩みや生きづらさに寄り添う活動を紹介しました。若者たちの表情や変化にどのように向き合っているのか、実際の関わりのエピソードも交えながら、支援する側・される側という関係を越えた、あたたかなつながりの様子が語られました。

(Instagram:@toyonaka_bbs)

【まなびリンク】

豊中市の若者支援事業“ユースモ”にも採択されている「まなびリンク」は、公教育の現場に広がる“探究学習”を、大学生や地域の大人が授業づくりに入ることで支える、という取り組みを紹介しました。先生だけでは手が回りにくい部分を、地域のリソースとつなぎながら補っていく試みで、実際に現場に入って見えてきたギャップや課題、それらを踏まえたカリキュラム作成の現状について共有しました。

(Instagram:@manabi_link)

【マナボ+】

元塾講師の経験を生かした主催者が、学校や塾など、既存の教育だけではこぼれてしまいがちな子どもたちに寄り添う、地域の学び場づくりについて発表しました。成績だけでは見えない悩みや不安に向き合いながら、一人ひとりのペースに合わせて伴走していること、また手応えだけでなく、活動を立ち上げる際の苦労についても、等身大にお話ししてくれました。

(Instagram:@manabo_plus)

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ラストのまちづくりブロックでは、暮らし方や地域資源、防災やローカルメディアなど、地域の未来をつくる多彩な取り組みが続きました。

【くらし方会議】

“ユースモ”採択プロジェクトでもある「くらし方会議」は、主催者自身の原体験をふまえながら、“支え合いのあるくらし方”をテーマに開いている対話の場を紹介しました。豊中では、地域で支え合う“団欒長屋”や、団地での“近居”といった暮らし方に注目し、そこで出会った人たちとのエピソードを交えながら、「家族のかたち」「ご近所との距離感」などを参加者と一緒に考えている様子が語られました。

(Instagram:@kurasi_katakaigi)

【庄内ヤギ部】

“公民館にヤギがやってくる”というユニークな活動について、立ち上げの背景や取り組みの内容を紹介しました。11月の間ショコラにやって来るヤギをきっかけに、子どもから大人までが自然と公民館に集まり、ヤギのお世話や観察を通じて人と人とのつながりが生まれている様子が伝えられました。大阪音楽大学の学生が中心となって運営しており、動物を介した新しいコミュニティづくりの可能性を感じさせる発表でした。

(Instagram:@shonai_yagi)

【チーム竹未来】

豊中北部・千里の象徴でもある“竹”を地域の宝としてとらえ、“竹あかり”づくりのワークショップや、竹の廃材を使った植物栽培など、自然を生かした遊びと学びの実践を紹介しました。子どもから大人まで、多世代が竹に触れながら環境や資源循環について考える機会をつくっていることや、竹林整備とまちづくりを結びつけたアイデアなども発表されました。

(Instagram:@take_mirai)

【津田新浜防災学習倶楽部】

徳島県の沿岸地域“津田新浜”地区での地域防災活動に関わってきた大学生が中心となり、その経験を大阪でも生かしながら、“南海トラフ地震”を見据えた備えや、地域・大学・行政が一緒に取り組む防災のかたちについて発表しました。地域の方々と協働してきた過程や、防災を広めるための取り組みなど、具体的な事例を交えて紹介し、災害への備えを“自分ごと”として考えるきっかけを届けてくれました。

(Instagram:@tsuda_bousai)

【とよなかって】

市民メディア「とよなかって」は、豊中の面白い“ひと・もの・こと”や、NPO・市民活動など“社会にとって大切だけれど伝わりにくい情報”を取材し、記事として届ける取り組みです。取材の裏側で大切にしている視点や、「発信されていないだけで、地域にはたくさんの魅力的な実践がある」という思い、そして今後も多様な世代に地域の情報を届けていきたいという展望が語られました。

(Instagram:@toyonakatte)

当日は、多世代の来場者がそれぞれのブースや発表を行き来しながら、若者たちのチャレンジや問題意識に耳を傾ける一日となりました。参加した若者同士のあいだでも交流が生まれ、ここから新しい共創が生まれていきそうな予感もあります。若い世代と力を合わせながら、市民の力でよりよい暮らしや地域のあり方を一緒に考えていく――そんなきっかけがぎゅっと詰まった一日になりました。

皆さんもぜひ、参加団体の今後の活動にご注目いただければ嬉しく思います。

豊中市立市民公益活動支援センター(豊中市委託事業)

〒561-0833 豊中市庄内幸町4-29-1(庄内コラボセンター1階)

電話:06-6398-9189 FAX:06-6398-9209

開館時間:火曜・木曜・土曜10時から19時まで、水曜・金曜は10時から21時まで

休館日:日曜・月曜・年末年始

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